伝説の7大投資家 著者:桑原晃弥
リバモア・ソロス・ロジャーズ・フィッシャー・リンチ・バフェット・グレアム
世界に名だたる伝説の投資家たちは何を考え、投資を行ってきたのか。
花々しい成功があれば、手痛い失敗もある。それぞれの生い立ちから投資スタイルまでについて簡潔に236ページまとめている本。
圧倒的成長株への投資や割安株への投資。目で見て足を運ぶ投資。いろいろな手法があり、どれも考えさせられる投資方法だと思いました。
今回は中でもリバモア、ソロス、ロジャーズの3者に絞って重要箇所を見ていきたいと思います。
ウォーレンバフェットについて知りたい方は下記のページを御覧ください。
「ウォール街のグレートベア」 ジェシー・リバモア
1929年10月の大恐慌を引き起こした男として知られている。株式相場の下げ基調が加速し売り一色に。そのさなか100億円の利益を手にしたのがこのジェシー・リバモアだという。
重要な点を抜粋すると次の通り。
損は切れ、利益を確保せよ
50%の損失が出た場合、残りのお金で取り戻そうとするとどの程度の利益が必要だろうか?
100% = 2倍にする必要がある。
50%の損を出したものが100%の利益を取ることが容易にできるだろうか?難しいと思う。
損失の規模が投下した資金の10%を超えたら即切り捨てる必要があるというのがリバモアの意見だ。
「みんながやっている」は正しさを保証してはくれない
「大衆と同じバスに乗っていても、時期が来たらいつでもそこから飛び降りようと身構えている。そして、逆方向に進む結果となることも恐れはしない」と述べている。
市場が「過熱」する中で一人「売り」をスタートさせたリバモア。
相場は偏りが生じる一方で、その偏りに気づいた誰かによって本来あるべき価格に戻ろうとする。
その偏りに気づき、大きく投機していたのがリバモアだ。
「イングランド銀行を潰した男」 ジョージ・ソロス
1992年イギリスがERM(欧州為替相場メカニズム)からの脱退を余儀なくされたERM危機でポンドの空売りを行い総額約2,000億円程度の利益を稼いだと推定されている。
そんなジョージ・ソロスから一節
「株式市場はつねに間違っている」という仮説からスタートする。だから、もしウォール街の連中と同じことをすれば、失敗することは目に見えているわけだ
ピーター・リンチに通づる「アマチュアの視点」を持つということに近いと思う。
誰かの真似や潮流に乗るだけでは、大きな成果を生み出すことは難しい。ソロスは失敗するとも言っている。
政治や経済、社会の動き様々な変化を察知し投資に活かす。
噂やネットの情報で「すごくいい情報を知った気持ち」になることはたしかに多い。だけど、それは政治に則った本質的な社会の動きなのか?実際に社会にいる人は、学生は、どのようなことを感じ、何を考えているのか身近な実体験の伴う情報を元に判断するのが良いということだろうか。
「百聞は一見に如かず」 ジム・ロジャーズ
世界を二周した冒険投資家ジム・ロジャーズ
ロジャーズは自ら世界を見て回ることでたくさんのチャンスに気づいてきた。
誰も見向きもしなかったオーストリア、ペルー、ボツワナなどの市場を見出し大儲けしている。
重要だと思った一節は
リスクの大小は「みんなが」ではなく自分がどれほど知っているかで決まる
百聞は一見に如かず、一見は一行に如かず
周到な準備と確信、その裏付けがあれば他の人にとってはリスクだとしても、自分はリスクと思う必要がない。
自分がどの程度の納得感を持って投資を行ったか説明することはできるでしょうか。
「何となく怖いけど…多分上がるかな…よし…投資をしよう」というのが誰しもあると思う。
「絶対」というのがないにせよ、何を持って納得とするのか、自信とするのか、「すぐに投資!」と躍起になる前に冷静に分析する癖を付ける必要がありそうだ。
まとめ
世界の状況がどのようであれ、他人にどのように言われても自分が正しいと考えることに忠実に投資をしていることが読み取れたました。正しさというのは状況やその人の生い立ちや性格によって異なります。どのような選択があるのかを今一度幅広い視野で見るとともに、正しさの中心に何を据え置くのか。時間はかかるかもしれないけど考えていきたい。
他にも
「成長株集中投資の大家」 フィリップ・フィッシャー
「伝説のファンドマネジャー」ピーター・リンチ
「オマハの賢人」 ウォーレン・バフェット
「バフェットの師」 ベンジャミン・グレアム
という項目があるから興味のある方はぜひ読んでみてください。
次はピーター・リンチさんの本を読んでみたいな。
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